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よくある質問

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産後パパ育休制度が始まっています
2022-11-02
Q 令和4年10月から始まった「産後パパ育休制度」とはどういった制度なのでしょうか。


A これまでの育児休業制度は、原則子どもが1歳になるまでに1回取得できるという制度でした。また、保育所に入所できない等の理由で、1歳以降も育児休業を取る必要がある場合は、子どもが1歳0ヶ月、1歳6ヶ月時点に開始時期が限定されていました。
 令和4年10月1日より制度実施となった「産後パパ育休」と呼ばれる制度は、育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に取得できる育児休業です(法律では、「出生時育児休業」と定義されています)。原則休業の2週間前までに事業者に申し入れをすれば、合計4週間取得が可能です。「合計」とあるのは、分割して2回取得することも可能です(取得の申し入れは、2回分まとめて行う必要があります)。また、育児休業中は原則就業不可ですが、産後パパ育休は、労使協定で事前合意ができていれば、労働者との個別合意で休業中の就労が可能となります。
 従前の育児休業についても令和4年10月1日より改正法が施行されています。改正により、原則1回であった育児休業を2回取得できるようになりました。例えば、夫婦で交替で育児休業を取りながら就労継続したり、母親の職場復帰が近づいたタイミングで父親が2度目の育児休業をとる等の利用が可能となります。産後パパ育休とあわせると、父親は子が1歳になるまでの間、最大4回(産後パパ育休2回+育児休業2回)、取得可能となります。(「パパ・ママ育休プラス」と呼ばれる制度を利用すれば、1歳2ヶ月まで延長可。)
 また、1歳以降の育児休業延長については、開始期間を柔軟化しました。

 なお、既に令和4年4月1日から、以下の3点が実施されています。
⑴育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
 事業者は、育児休業や産後パパ育休に関する研修の実施、相談窓口の設置、休暇取得事例の収集と提供、制度及び育児休業取     得促進に関する方針の周知 のいずれかの措置を講ずることが義務づけられました。
⑵妊娠・出産の申出をした労働者に対する制度の個別周知と意向確認措置の整備
 妊娠や出産の申出をした労働者に対して、事業者は、育児休業に関する制度や取得の申出先、育児休業給付、期間中の社会保険料の取扱を個別に周知し、休業取得意向の確認も個別に行うことが義務づけられました。
⑶有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
 これまで、有期雇用労働者が育児休業を取得する要件は、ア)引き続き雇用された期間が1年以上であること、イ)子が1歳6ヶ月となるまでに契約が終了することが明らかでないこと の2要件を満たす必要がありましたが、アの要件が撤廃されました。但し、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者について、労使協定の締結により対象外とすることは可能とされています。

 育児休業制度の法整備が進められていますので、法律に適合した社内環境の整備、就業規則の改定等、事業者に要請される事項も増えています。育児休業等を理由とする不利益取扱、ハラスメントは禁止されていますので、その対策も必要です。お困りの方や企業は、弁護士等への相談も検討下さい。

     弁護士 浦本真希(uramoto@fujikake.lawyers-office.jp)



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