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よくある質問

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送りつけ商法への対応
2021-09-02
Q.同居の家族宛に宅配が届いたので受け取りました。家族の帰宅後に宅配物を確認してもらったところ、注文していないことが判明しました。中に請求書と振込用紙が入っており、支払を行わねばならないのか、届いた商品はどう扱えばよいのか、困っています。



A.質問のようなトラブルは、「送りつけ商法」や「ネガティブオプション」と呼ばれる消費者被害の一種です。商品は、カニのような生鮮魚介類から、健康食品、書籍と幅広く、いきなり送りつけられるケースだけでなく、電話での勧誘を断ったにもかかわらず商品を強引に送りつけられるケースもあります。昨今のコロナ禍から「コロナ禍の売上減少で困っている」とのアピールがあったり、注文していないマスクが大量に届いたという報告もあります。
対処に困って振込に応じ商品を引き取ったり、心当たりがないと業者に連絡をして支払を強く要請されてしまい応じてしまった等の問題に発展します。

契約は申込みの意思と承諾の意思が合致しなければ成立しません。
送りつけ商法は、送りつけられた側は購入の意思(売買契約の承諾の意思)を有していないので、契約は成立しておらず、代金を支払う必要はありません。
しかし、契約が成立していないため、消費者側に商品の所有権が移転しておらず、業者から返品を求められる可能性が残ってしまいます。

この点、従来の特定商取引法では、業者に商品の引き取りを請求した日から7日間、もしくは商品の送付を受けた日から14日間、業者の引き取りがなければ、業者は商品の返還を請求できなくなり、消費者が商品を自由に処分してよいと規定されていました。
しかし、この規定ですと、消費者は一定期間は商品を手元に置いておく負担が発生します。

そこで、特定商取引法が改正され、2021年7月6日より、契約の成立なしに一方的に送りつけられた商品は、即時処分が可能となり、自己の所有物として使用も可能ですし、不要であれば廃棄しても構いません。もちろん、業者からの代金支払請求や、商品の返還請求、処分に対する損害賠償請求等に応じる必要はありません。

もし、支払請求に応じてしまった場合は、業者に返金請求を行うことが可能です。

弁護士 浦本 真希 uramoto@fujikake.lawyers-office.jp
神戸湊川法律事務所
〒650-0015
兵庫県神戸市中央区
多聞通3-3-9 神戸楠公前ビル3階

TEL.078-341-3684

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