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修理中の車両が台風で水没
2018-10-15
Q.自動車の修理工場に預けていた自家用車が、台風による高潮のため浸水被害に遭い、修理不能となってしまいました。修理工場に弁償してもらうことはできるでしょうか。
修理工場が弁償してくれない場合、車両保険の保険金は支払われるでしょうか。
A.地震や台風によって財産に被害を被った場合、原則として不可抗力とみなされる場合が多いので、保管者の責任を追及することができないのが原則です。
神奈川県横須賀市のマリーナで陸上保管されていたプレジャーボートが、平成21年10月に来襲した台風18号のため、海上に流出して座礁し大破した事件において、東京地裁平成26年1月29日判決は、被害は高潮の発生が満潮時に重なったことによるもので予測不可能であったとしてマリーナの賠償責任を認めませんでした。
なお、車両保険は、火災・水害・洪水・高潮の場合には補償されますが、地震や噴火、津波の場合には補償されない場合が多いので注意が必要です。
もっとも、自動車の修理工場はオーナーから預った車両を善良な管理者の注意でもって保管する義務(善管注意義務)があり、他の一般的な自動車工場が備えいてる設備とメンテナンスを怠った場合には、たとえ台風といえども責任を免れないケースもありえます。
また、修理工場の保管設備の設置・管理に瑕疵があったと認められる場合には、土地の工作物責任として損害倍賞責任を追及できる可能性があります。
1993年の台風13号が、西宮市内のヨットハーバーの係留艇と陸上保管艇の計87隻に、船体被害を及ぼしたという事件がありました。ヨットのオーナーの団体はヨットハーバーに対し、台風に脆弱な設計のため改善要求を続けていたものの、ヨットハーバーがこれに応じないでいたところ、台風が来襲したことにより被害が拡大したものと解されました。そのため、ヨットハーバーは、87艇に対し、原状回復費用(修理不能艇には時価)を補償したとのことです。
神奈川県横須賀市のマリーナで陸上保管されていたプレジャーボートが、平成21年10月に来襲した台風18号のため、海上に流出して座礁し大破した事件において、東京地裁平成26年1月29日判決は、被害は高潮の発生が満潮時に重なったことによるもので予測不可能であったとしてマリーナの賠償責任を認めませんでした。
なお、車両保険は、火災・水害・洪水・高潮の場合には補償されますが、地震や噴火、津波の場合には補償されない場合が多いので注意が必要です。
もっとも、自動車の修理工場はオーナーから預った車両を善良な管理者の注意でもって保管する義務(善管注意義務)があり、他の一般的な自動車工場が備えいてる設備とメンテナンスを怠った場合には、たとえ台風といえども責任を免れないケースもありえます。
また、修理工場の保管設備の設置・管理に瑕疵があったと認められる場合には、土地の工作物責任として損害倍賞責任を追及できる可能性があります。
1993年の台風13号が、西宮市内のヨットハーバーの係留艇と陸上保管艇の計87隻に、船体被害を及ぼしたという事件がありました。ヨットのオーナーの団体はヨットハーバーに対し、台風に脆弱な設計のため改善要求を続けていたものの、ヨットハーバーがこれに応じないでいたところ、台風が来襲したことにより被害が拡大したものと解されました。そのため、ヨットハーバーは、87艇に対し、原状回復費用(修理不能艇には時価)を補償したとのことです。
神戸湊川法律事務所 代表弁護士 藤掛 伸之 fujikake@lawyers.jp